池上遊覧鉄道 (展示)

会期:10月8日(土)~10月16日(日)

会場:池上秦川邸(岡山県総社市門田491)

 

池上秦川邸初のレジデンスプログラム。池上邸を舞台に巡る遊覧鉄道の旅。

芸術とはそれぞれの個性の領域を広げていくこと。「その人の能力は今あるものの合計だけではなく、これから持つであろうものも含めた総和である。(サルトル)」可能性の開花させる環境をつくることが、時代の変革期にあって切望されていると感じる。

あふれるほどの情報に囲まれて生きている私たちは、その状況に慣れることと引き換えに、感じる時間や自分自身の感覚に基づいて考えることを失いつつあるのではないか。

2010年の春。秦川邸で、池上さん一家と、自分の五感を通して感じる時間の尊さについて、

家族の歴史を遡りつつ語った。お婆さんの寝物語、お祖父さんの茶器、家族旅行の思い出、池上家にある「好日庵」のこと・・・・。時代は、明治・大正・昭和・平成へとするすると流れて行く。

“利便性をもたらす科学技術の進化と人の内面の進化のバランスの崩れが招いた現代社会の歪”や“ともすると薄れている人と人との関係性の改善のヒントが、個を超えた記憶の振り返りを行うことで得られるように感じられる。これは人の内面の進化が目指す明るい未来(ピーター・ラッセル氏が提唱するWhite Hole In Time)に向けての小さな一歩となるかも知れない。

一方で、アサヒ・アート・フェスティバルに参加する、全国の団体は、それぞれに企画相互の交流を継続している。NPOハート・アート・おかやまは、2009年夏に隠岐諸島の西ノ島で、外浜まつり実行委員会と交流し、作品をつくった。その時に出会ったのは、瀬戸内の白石島の御影石を代々墓標にしている家族。また、西ノ島の焼火神社の分社が、総社の浅尾藩の城跡に見つかる。海の神様が総社にも居る。かつての北前船や高瀬舟、鉄器到来の道が、芸術文化を介在させることで見えてくる。私たちは、確信している。アートを通して、人と人との繋がりを恢復していけると。

これらの背景を受けて、二人のアーティスト:伊達伸明と岡田毅志が、池上家の時空に鉄道を走らせることにした。家の風景、家族の歴史、文化の道の気配。果たしてその鉄道の車窓は、どのような新たな世界をつくっていくのだろう。


アーティストプロフィール

伊達伸明(だて のぶあき)

1964年 大阪生まれ。京都市立芸術大学美術学部大学院工芸科修了

学生の頃より楽器、音に関わる作品制作を始め、2000年より取り壊される建物の部材の一部を用いてウクレレを制作し、肌感覚から建物を保存しようとする「建築物ウクレレ化保存計画」をスタート。現在までに寺院、学校、一般住宅など62物件の建物をウクレレ化。 各地での個展やトーク・ワークショップなどの他、水戸芸術館(2002年)、兵庫県立美術館(2005年)国立民族学博物館(2005年)、大阪市近代美術館心斎橋展示室(2006年)、大阪歴史博物館(2011年)などで建築物ウクレレを展示している。 著作物:「建築物ウクレレ化保存計画2000.42004.3


岡田毅志(おかだ たけし) 

現代美術家 1967年生まれ。京都府在住。京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。「アートとは自分と現代社会との接点に、あるタイミングで必然と現れる」との考えから、作品制作、美術教育、アートマネージメントなどを並列して実践している。

「池 上秦川邸と関わることになったのは、何か自然の流れを感じます。自分が特別な思い入れを抱いていたという訳ではないのですが、いくつもの偶然が重なって、 私を自然とそこへ連れて行って、その場所で活動することになったというような、不思議なまでにふわふわとした感覚でいます。まるで自分の生き方そのものの ようです。」


イベント


◎宗ノ茶会

池上春雄さんの創作した茶碗での茶会。

地域に伝わる備中白小豆の甘味をご用意します。

日時108日(土)15日(土) 

   14時から16時(予約不要、無料)

会場池上秦川邸


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◎池上会議(トーク)

「家族の歴史と地域再生~私事とpublicの交差が生み出すもの~」

日時:109日(日)14時から16時(予約不要、無料)

会場:池上秦川邸

進行:田野智子(NPOハート・アート・おかやま代表理事)

 

ゲスト

池上 眞平(いけのうえ しんぺい)

 1946年生まれ。幼稚園時代に祖父の春雄さんに買って貰った日光写真のセットにより写真の不思議に感銘した。これが写真業界に身を投じるきっかけの一つとなった。41年間の富士フイルム在職中に当時世界一と位置づけられた写真フイルムの開発や新しい写真システムの開発に従事。

 

芹沢 高志(せりざわ たかし)

 1951東京生まれ。神戸大学理学部数学科、横浜国立大学工学部建築学科を卒業し、民間のシンクタンク生態学的地域計画の研究に従事する。89現代美術と環境に関わる制作機関としてP3 art and environmentを開設し、国内外のアーティストの活動をプロデュースする。アサヒ・アート・フェスティバル事務局長。著書に『この惑星を遊動する』(岩波書店)、『月面からの眺め』(毎日新聞社)などがある。

 

松浦道仁(まつうら みちひと)

島根県隠岐諸島の西の島にある焼火(たくひ)神社宮司。現在運航する隠岐汽船の発祥は、松浦家と深いつながりがある。アサヒ・アート・フェスティバル参加の外浜まつり実行委員長。


池上秦川邸とは

江戸末期に大分県日田の広瀬淡窓がひらいた咸宜園で学び、帰郷後浅尾藩の薪田大名(旗本)の蔵元の就き藩校集義館の文学教授となり、明治維新後は、「大日本租税誌」の編纂に関わる。文学と経済学の視点から地域振興を行った故・池上秦川の邸宅(総社市門田)


 

↓詳細はチラシをご覧ください。

池上遊覧鉄道チラシ_表
yuran_chirashi_omote.pdf
PDFファイル 5.5 MB
池上遊覧鉄道チラシ_裏
yuran_chirashi_ura.pdf
PDFファイル 10.4 MB